藤枝市 リフォーム 育暮家 家は新築から始まり、メンテナンスやリフォームを繰り返し、維持されていきます。生活スタイルも家のつくり多様化したい時代にこそ、「ライフサイクルリノベーション」の考え方が大事になります。家は住み継がれていくことで長寿命となり、その役目を果たします。
2017. 1. 1

つなぐメッセージ

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

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昨年夏、しずおか熟年メッセージ大会があり応募しました。熟年と

と言っても年齢は関係なく、自分が熟年と思えば誰でも応募できる

のです。10代でもOK?です。

メッセージという響きに誘われ、ちょうど伝えたいなあ、と思って

いたこともありその整理にもなればとして応募してみました。

応募94件の内8名が1次審査を通過し、2次審査へ。私も運よく

2次審査の対象者に選ばれました。

どんな方が応募されるのだろう、審査会場に集まっていた方々とお

会いすると、描いていたイメージと若干異なりました。

メッセージ募集とありましたので、きっと文系のつわものメッセンジャーが集ま

っているのだろうと思っていたのです。そこはやはり熟年、和気あ

いあいの雰囲気です。多少場違いなのかも戸惑いながら2次審査に、

7名の審査員の前で、それぞれ持ち時間10分間のパフォーマンスでアピールします。

採点はその場でされていましたが審査結果は後日です。

私はシンプルに応募したメッセージ原稿を読むことにしました。

以下がその原稿です。

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熟年メッセージ           杉村喜美雄

3年ほど前、バトンを渡す相手の出現が私をよみがえらせました。   

私の熟年メッセージは、現在、事業承継の準備真最中である私とバトンを受け取る事業承継者が感じ、実践していることからのメッセージです。

バトンを受け取る人の存在は、渡す人を元気にさせます。

当たり前のようなことが事業承継となるとうまくいかない現実がある中でこれまでの経験や学んだことを伝えることは、つないでいく人の反省や創造の原資とサポートとなることを実感しています。

またお互いが知恵を出し合うことになれば未来思考に気持ちが変わっていくことになります。

つなぐ為の協働作業はお互いが抱える不安を取り除くだけでなく、夢や喜びに変えてくれます。そのことを熟年メッセージの場を借りて、高齢者の増加はリスクよりむしろプラス要素が大きいことを伝えられたらと考えたのでした。

私は小さな工務店を営み、事業承継の時期を迎えています。

60歳に近づいた頃、具体的に事業承継が見えてくると、

心の隅にあった「この会社をつなぐのは誰?」との懸念が次第に頭を持ち上げてきました。

誰にどうつなぐか、 

最近、つなぐことがとても難しい時代になったと感じます。時代が変化するスピードを上げてくると、

つなぐことより、競争や進歩が求められます。同時に価値観も多様化し、つなぐ余裕を失っていった気がします。

つぐ人、バトンを渡せる人がいない、見つからない、現れない。

つなぐことが難しくなった理由を探せば、人口減の影響も上げたくなるし、様々な世代間格差も気になります。

でもそれは、どこか他人のせいにしたくなる気持ちからだと思うのです。

「この家とどう向き合えばいいのでしょうか」最近よく相談を受けるようになりました。

家を中心に動いていた時代には、家を守ること、つなぐことが最優先で最も大事なことでした。

戦後、家制度が廃止されると、人はそれぞれの価値観や、働き方、家族の事情などから家にと向き合うことになりました。

核家族化が進むと一家族にひとつの家を求めるようになりました。家はつぐ人を失うと一気に呼吸を止めてしまいます。

仕事柄、家のつなぎ方の多様性を考える日々ですが、私の熟年メッセージはひとまず家から離れ、

世代間でのつながりについて触れていきたいと思います。

つなぐと言えば、これまで培ってきた伝統・手ワザ・気質、目に見えないものやことも受け渡されていきます。

この時、バトンを受け取る人がいるか、いないかでその先が大きく変わっていきます。

つまり、つなぐこと、つながる為には、まずバトンを受け取る相手がいることが前提になります。

バトンタッチは渡す人、受け取る人の連携だと思います。

そこに渡す人の経験や価値観と受け取る人の感性や新しい技術の融合が生まれます。渡す人だけが力んでもうまくいきません。

受け取る人も受け継ぐ価値と方法を理解していなければなりません。無理やり、共感なしのバトンタッチは必ず挫折します。

でも実際は受け取る側が価値やつなぐ方法に気づいていないことも多いのです。

家づくりの現場で親方―弟子の関係を見ることがほとんどなくなりました。

家づくりのスピードUPが求められ、素材、技術、使う道具が変化したこともあります。

工場製品が現場の作業を変えていき、例えば電気鉋が手鉋に引けを取らない仕上がりを見せ、

更にその電気カンナも必要となくなっていきます。現場で伝えるものが姿を変えていきます。

でもそれは伝えるものやことがなくなったのでありません。自分が必要と思わなければ伝わらなくなった、

伝えてもらえなくなったと言うことです。学ぶ姿勢は間違いなく先輩や親方を奮い立たせます。

初めは本当に引き継ぐべきもの(価値)は何かは分からなくてもあとからついて来ると思います。

渡す者、渡される者の協働作業にこそ電気カンナを超える技術と喜びがあると思うのです。

家庭においてもそうです。1億、みんなで働き、みんなで支える社会となり、そのことでそれぞれの時間管理が難しくなっています。

家族が家庭において大切にしていた、しきたりや家庭の味を伝える時間が消えていくかも知れません。   

それだけにバトンタッチの意味を再認識し、どうつなぐ環境をつくりだすか考えることが大事になっていると思うのです。 

バトンを受け取る人が出来た私は、心も元気になり、経験エネルギーが湧いてきました。

経験エネルギーとは、私が学んだ失敗や成功体験の記憶や技術等です。以前、事業承継が見えなかった私は、

廃業、合併などマイナスのことばかりにとらわれるようになっていました。受け渡す人の存在が、

これほどの力を生むことを、受け取る人にも渡す人にも伝え、そのエネルギーを生み出し活用してほしいのです。

その為に何が必要か、共に考え実行することは、ここからの高齢化社会における一つの強化ポイントだと思うのです。

超高齢化社会は、受け取る人より渡す人の方が圧倒的に多い。

それは、渡す人の豊富なエネルギーが社会に溢れているということです。

変化の大きい時代は、世代ごと暮らし・生活が違い、道具や環境も違います。だから経験したことも世代ごと違います。

今や先行く者の経験は次の世代にとっては未知のことであり未来であるかもしれないのです。

例えば、40年前のまだ多くの家庭は薪が燃料(エネルギー)でした。

ここにきて科学技術が自然との関係を見直す時代になり、これまでの暮らし文化、経験にヒント探すこともあります。

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そんな時代だからこそバトンタッチがうまく出来てほしいと願うのですがお互いの距離が開いているのも現実です。

お互いの距離を詰める、その為には練習が必要かもしれません。

リレーの為に普段から入念にバトンタッチを練習する日本の陸上選手のように、まずは練習をスタートする。

バトンを受ける側は渡す側に上手くアプローチをかける練習。バトンを渡す側はそのアプローチをエネルギーに変え上手に伝える練習。

生徒と先生の関係ではなく共に未来を夢見る関係になっていく練習です。

そこにはコーチが必要になります。幸いにも私達には良きコーチが見つかりました。

外から客観的に見てくれるコーチは大事だと思います。プロである必要はないと思います。

特別な伝統やしきたりや技術に限りません。どんな経験も次の世代の未来と考え、

若い人たちと連携し、新しい価値観や技術を私達の経験に透かして見ることが大事だと思います。

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とてももったいないと思うことがあります。

それは若い人が人生のスタートラインに立つ時、先人の経験を活かすことなくゼロスタートしてしまうことです。

最近話題の宇多田ひかるさんや福原愛さんをみると、お母さんの存在の大きさに気づかされます。

お母さんの経験がスタートラインとなりその経験の上からスタートしたというのです。

高い位置からのスタートだったから自分の能力やセンスがその上に表現出来、成功したのです。

私の事業承継もそのように夢見ています。

つなぐことが経済的にも物理的にもむずかしくなっているのは事実です。

バトンを渡されたくないと思っている人も少なくありません。

繰り返しますが、受け取る人がいることで、渡す人のエネルギーを再燃させることが出来ます。

そしてその再燃エネルギーを利用すれば、受け取る人の才能やセンスが更に磨かれ、力となります。

そう願います。

2030年には日本の社会保障が成り立たなくなると聞かされます。

高齢者を支える社会〈若者〉リスクが話題になりますが、福祉国家スウェーデンでは働ける内は働いて社会を助けることが基本だと言います。

『老いたら子に従え』ということわざがあります。

かつては多くの若者がいて、早くから経験を積む為にも主役は若ものにゆだねていく時代でした。

ここからは『老いたればこそ、若者と共にあれ』となってほしいと願っています。

日本のお家芸、バトンタッチ連携の技で先輩の力と後輩の力がつながっていく。

このお家芸を活かしていけば、3500万人というバトンを渡す人の力がよみがえり、

そしてその連携が新しいエネルギーを生みだしていくと思うのです。

ロボットやAIが未来を築くとする前に、今こそ日頃の練習を積み重ねる時です。

バトンを渡す人の経験を伝えることには「時限」があるだけに。

以上で私の熟年メッセージとさせていただきます。

ありがとうござました。

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以上が私の熟年メッセージでした。つたない文章で思っていることがなかなか伝えられていないかも知れませんが、

またお会いした時にいろいろご指摘頂ければ幸いです。

最近、お客様の世代交代に接することがあります。歴史を重ねる瞬間のように感じます。

育暮家ハイホームスもやがて事業承継の時期を迎えます。

つなぐことは未来があることです。そこには安心というメッセージが含まれています。

先代が建てた家、リフォームした家。私達は自らをつなぎ、そして、住まい手の方々の「つなぐお手伝い」を続けて参ります。

どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

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㈱育暮家ハイホームス   静岡県藤枝市青南町二丁目8-7  054-636-6611